はじめに
CLIを使っていると、知らないコマンドや「このオプションは何だっけ?」という場面に必ず出会います。
そんなときに大切なのは、まず自分で調べられることです。
Linuxには、コマンドの使い方や正体をその場で調べるための仕組みが標準で用意されています。
この回では、コマンドを調べるための4つの道具である --help、man、which、type を学びます。
1. –help:簡易ヘルプを表示する
多くのコマンドは --help オプションを付けることで簡易ヘルプを表示できます。
まず最初に確認したいときに便利です。
基本的な使い方
$ ls --help
期待される出力(例):
Usage: ls [OPTION]... [FILE]...
List information about the FILEs.
-a, --all
-l
...
Usage: には基本的な書き方が表示されます。
その下には利用可能なオプション一覧が表示されます。
よく使う場面
- コマンドの使い方をすぐ確認したいとき
- オプション一覧を見たいとき
- コマンド名だけ知っていて使い方を忘れたとき
2. man:マニュアルを読む
man は manual(マニュアル)の略です。
コマンドの正式な説明書を表示します。
基本的な使い方
$ man ls
期待される出力(例):
LS(1) User Commands
NAME
ls - list directory contents
SYNOPSIS
ls [OPTION]... [FILE]...
DESCRIPTION
...
--help よりも詳しい情報が記載されています。
manの操作方法
| キー | 動作 |
|---|---|
| スペース | 次ページへ進む |
| b | 前ページへ戻る |
| ↑ ↓ | 1行ずつ移動 |
/キーワード | 検索する |
| q | 終了する |
覚えておくこと:manから抜けるときは
qを押します。
–help と man の違い
| 項目 | –help | man |
|---|---|---|
| 情報量 | 少ない | 多い |
| 用途 | 素早く確認 | 詳しく学習 |
3. which:コマンドの場所を調べる
which はコマンド本体がどこに存在するかを表示します。
基本的な使い方
$ which ls
期待される出力(例):
/usr/bin/ls
これは ls コマンドの実体が /usr/bin/ls にあることを意味します。
別の例
$ which pwd
期待される出力(例):
/usr/bin/pwd
コマンドの実体ファイルの場所を確認したいときに利用します。
4. type:コマンドの種別を調べる
type はコマンドの種類を調べます。
Linuxのコマンドには次のような種類があります。
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| 実行ファイル | プログラム本体 |
| シェル組み込み | シェル内部の機能 |
| エイリアス | 別名設定 |
シェル組み込みの例
$ type cd
期待される出力(例):
cd is a shell builtin
cd はシェル組み込みコマンドです。
実行ファイルの例
$ type mkdir
期待される出力(例):
mkdir is /usr/bin/mkdir
mkdir は実行ファイルです。
エイリアスの例
$ type ls
期待される出力(例):
ls is aliased to 'ls --color=auto'
環境によっては色付き表示のエイリアスが設定されています。
which と type の違い
| コマンド | 確認できる内容 |
|---|---|
which | 場所のみ |
type | 場所+種類 |
迷ったら、より多くの情報を表示する type を使うと便利です。

Linux基礎コマンド一覧表

演習
課題:4つの調査ツールを使ってみる
まず mkdir のヘルプを確認します。
$ mkdir --help
-p オプションの説明を探してください。
期待される出力(例):
-p, --parents
make parent directories as needed
続いて man を開きます。
$ man ls
開いたら少し読んで、q で終了してください。
次に pwd の場所を調べます。
$ which pwd
期待される出力(例):
/usr/bin/pwd
最後に type で確認します。
$ type pwd
期待される出力(例):
pwd is /usr/bin/pwd
演習の確認ポイント
- ☐
mkdir --helpでオプションを確認できる - ☐
man lsを開いてqで終了できる - ☐
which pwdでコマンドの場所を確認できる - ☐
type pwdでコマンドの種類を確認できる - ☐
--helpとmanの違いを説明できる